家族の暮らしと気持ち

障害児の預け先がない・断られたときにできること

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はじめに

「何か所も電話したのに、どこもいっぱいと言われた」「医療的ケアがあるから、うちではむずかしいと断られた」。重い障害のあるお子様のあずけ先さがしでは、こうしたことが少なくありません。

断られるたびに、お父様・お母様の心は少しずつすり減っていきます。でも、断られたことは「もう方法がない」という意味ではありません。この記事では、あずけ先が見つからないときに、次に打てる手をじゅんばんにまとめました。

まずは相談支援専門員に「こまっている」と伝える

相談支援専門員は、福祉サービスの利用計画をいっしょに考えてくれる人です(くわしくは「相談支援事業所とは?障害児の探し方と選び方」)。

あずけ先さがしは、ご家族だけで電話をかけ続けるより、相談支援専門員に動いてもらうほうが早いことがよくあります。事業所どうしのつながりや、空きが出やすい時期などを知っているからです。

伝えるときは、「いつ」「どのくらいの時間」「なぜ必要か」をはっきりさせると、さがしやすくなります。たとえば「月に2回、土曜日の昼間」「お母様の通院のため、来月10日に1泊」などです。

まだ相談支援専門員がいない場合は、市区町村の障害福祉の窓口で、相談支援事業所を紹介してもらえます。

市区町村の窓口に、今の状況をそのまま話す

市区町村の障害福祉の窓口(障害福祉課など)にも、あずけ先が見つからないことを伝えてください。

窓口では、地域の事業所の情報のほかに、市区町村が独自に行っている一時預かりや、日中一時支援(昼間の短い時間をあずかるサービス)の事業所を教えてもらえることがあります。日中一時支援は市区町村ごとに内容がちがうので、窓口で聞くのがいちばん確かです。

また、「どこに聞いてもだめだった」という声が窓口に届くことで、地域にどんな支援が足りないかが伝わります。

急ぎのとき:短期入所と「緊急時の受け入れ」

ご家族の急な入院や、けが、冠婚葬祭などで、どうしてもお子様をみられないときもあります。

こうしたときに使えるのが短期入所(ショートステイ)です。国は、地域で緊急時の受け入れや相談の役割をになう「地域生活支援拠点等」を整えるよう進めていて、緊急で受け入れた短期入所事業所には報酬の加算もあります。ただし、どこに拠点があり、どう動いてくれるかは市区町村によってちがいます。

自治体によっては「緊急一時保護」といった名前で、独自の受け入れのしくみを持っているところもあります。

いざというときにあわてないよう、元気なうちに次のことを窓口や相談支援専門員と確認しておくと安心です。

受給者証に短期入所がついていないと、すぐに使えないことがあります。使う予定がなくても、早めに申請しておくことをおすすめします。

医療的ケア児・強度行動障害のお子様の場合

医療的ケアが必要なお子様は、看護師のいる事業所でないと受け入れがむずかしいことが多くあります。

そんなときは、都道府県が置いている「医療的ケア児支援センター」に相談できます。医療的ケア児とご家族の相談を受け、地域の情報をまとめている窓口です。2026年7月に法律が改正され、2027年4月からは「医療的ケア児等支援センター」となり、重症心身障害のある人なども対象に広がる予定です。

また、病院などで行う「医療型短期入所」も選択肢です(くわしくは「医療型短期入所とは?福祉型との違いと使い方」)。近くになくても、となりの市や県外の病院で受け入れてくれることがあります。主治医に「レスパイトで使える病院はありますか」と聞いてみるのもよい方法です。

強度行動障害のお子様は、「対応できる職員がいない」と断られることがあります。強度行動障害の研修を受けた職員がいる事業所をさがす、サポートブック(「サポートブックの作り方・あずけ先に伝わる書き方」)でお子様のとくちょうを先に伝える、などで受け入れてもらいやすくなることがあります(くわしくは「強度行動障害でショートステイを使うには?受け入れのコツ」)。

断られた理由を聞き、別の形をためしてみる

断られたときは、つらくても、できれば理由を聞いてみてください。

理由がわかると、次にどこをさがせばよいかが見えてきます。

また、施設にあずけるだけでなく、ヘルパーに家に来てもらう方法もあります(くわしくは「短期入所と日中一時支援の違い・ヘルパーとの使い分け」、「障害児のヘルパーが見つからないときにできる7つのこと」)。施設の空きを待つあいだ、ヘルパーと日中一時支援を組み合わせるなど、いくつかの方法を合わせて使うご家族も多くいます。

断られたことを記録して、自治体に伝える

「いつ」「どこに」「どんな理由で」断られたかを、メモに残しておきましょう。

この記録は、相談支援専門員と次の手を考えるときに役立ちます。また、市区町村に「地域にこういう支援が足りない」と伝える材料にもなります。市区町村では、障害福祉の計画づくりや、地域の関係者が集まる会議(自立支援協議会など)で、こうした声をもとに話し合いが行われています。

一人のお父様・お母様の声は小さく感じるかもしれません。でも、同じようにこまっているご家族はほかにもいます。記録を残して伝えることは、地域を少しずつ変える力になります。

さいごに

あずけ先が見つからないとき、いちばん大切なのは、ご家族だけでかかえこまないことです。相談支援専門員、市区町村の窓口、医療的ケア児支援センター、主治医など、たよれる先はいくつもあります。

あずけさき手帖では、お住まいの地域の短期入所や日中一時支援の施設をさがすことができます。

※制度や受け入れのしくみは、年度や市区町村によって変わります。くわしくはお住まいの窓口でご確認ください。

出典:

お住まいの地域のあずけ先をさがす →都道府県や、お子様に必要なケアからさがせます