障害児の親が仕事を続けるには?使える支援と働き方
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はじめに
「この子を育てながら、仕事なんてできるのだろうか」。重い障害のあるお子様が生まれたとき、また医療的ケアが必要になったとき、多くのお父様・お母様が仕事のことでなやみます。
実際に、お子様のお世話のために仕事をやめたり、働き方を大きく変えたりしたご家族は少なくありません。一方で、制度やサービスを組み合わせて、仕事を続けているご家族もいます。
この記事では、働き続けるために知っておきたい制度やサービスをまとめました。どの方法が合うかはご家庭によってちがうので、できそうなものから見てみてください。
保育園は障害のあるお子様も入れる?
保育園(保育所)や認定こども園でも、障害のあるお子様を受け入れているところはあります。多くの市区町村で、障害のあるお子様のために保育士を多めに置くなどの取り組みをしています。
医療的ケアが必要なお子様についても、国は「医療的ケア児保育支援事業」で、看護師などを保育所に置く費用を補助しています。ただし、対象は市区町村が「集団での保育ができる」とみとめたお子様で、受け入れている園の数は地域によって大きくちがいます。
入れるかどうか、どんな手続きがいるかは、市区町村の保育の窓口で確認してください。申しこみの前に、園の見学や、市区町村との面談が必要になることもあります。早めに相談を始めることをおすすめします。
保育園のほかに、児童発達支援(小学校に上がる前のお子様が通う療育の場所)を、働いている時間のあずけ先として組み合わせるご家族もいます。
会社で使える休みと働き方の制度
育児・介護休業法という法律で、働く人が使える制度が決められています。2025年4月と10月に、子育て中の人向けの制度が広がりました。主なものは次のとおりです。
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 子の看護等休暇 | 小学校3年生が終わるまでのお子様の病気やけが、予防接種、健康診断、入学式などのために休める(年5日、お子様が2人以上なら年10日) |
| 残業の免除 | 小学校に上がる前のお子様がいる人は、残業をしないよう会社に求められる |
| 柔軟な働き方の措置 | 3歳から小学校に上がる前のお子様がいる人のために、会社は時差出勤・テレワーク・短時間勤務などから2つ以上を用意し、働く人はその中から1つを選べる |
| 個別の意向確認 | 会社は、お子様が3歳になる前などに、働き方の希望を個別に聞き、配慮する |
国の指針では、お子様に障害がある場合などには、本人が希望すれば、短時間勤務や子の看護等休暇を使える期間を延ばすなどの配慮が望ましいとされています。義務ではありませんが、会社に相談するときの手がかりになります。
介護休業は、障害のあるお子様でも使える場合がある
「介護休業」は親の介護のための制度だと思われがちですが、お子様も対象の家族にふくまれます。
2025年に、「常時介護を必要とする状態」かどうかを決める基準が見直され、お子様に障害がある場合や医療的ケアが必要な場合も対象になりうることがはっきりしました。薬や医療機器の使用・管理、危険をさけることがむずかしい状態なども、判断のときに考える項目に入っています。
介護休業のほか、短い期間で使える「介護休暇」もあります。使えるかどうか、日数や給付金の条件などは、会社の人事担当や、都道府県の労働局(雇用環境・均等部)に相談してください。
放課後等デイサービスや日中一時支援で、働く時間をカバーする
小学生以上になると、放課後等デイサービス(学校のあとや休みの日に通う場所)が大きな支えになります。送迎がある事業所も多く、夕方まであずかってもらえれば、働ける時間が広がります。
ただし、使える日数には上限があり、市区町村によって決め方がちがいます。お父様・お母様が働いていることで、日数のめやすが変わる市区町村もあります。働く時間に合わせて何日ほしいかを、相談支援専門員に伝えてください。
放課後等デイサービスが終わる時間よりあとや、土曜日などは、日中一時支援やヘルパーを組み合わせる方法もあります。日中一時支援は市区町村ごとに内容がちがうので、窓口で確認しましょう。
夏休みなどの長い休みは、とくに計画が大切です(くわしくは「障害児の夏休みをどう乗りきる?使える支援まとめ」)。
在宅ワークや、働き方を変えるという選択
お子様の体調が急に変わりやすい場合や、医療的ケアで目がはなせない場合は、外に出て決まった時間働くのがむずかしいこともあります。
そうしたときは、在宅ワークや、時間の調整がしやすい仕事を選ぶご家族もいます。今の会社にテレワークの制度があるか、まずは確認してみるのもよい方法です。
ただ、在宅ワークでも、お子様のお世話をしながら仕事に集中するのはかんたんではありません。家で働く場合でも、ヘルパーや訪問看護、あずけ先を使う時間をつくることが大切です。
仕事をやめるか、続けるか、形を変えるかに、正解はありません。ご家族の体と心が続けられる形を、いっしょにさがしていきましょう。
一人でなやまず、相談できる先を持つ
働き方のなやみは、福祉と仕事の両方にかかわるので、どこに聞けばよいかわかりにくいものです。
- サービスのことは、相談支援専門員や市区町村の障害福祉の窓口
- 保育園のことは、市区町村の保育の窓口
- 会社の制度のことは、会社の人事担当や都道府県の労働局
- 医療的ケアのことは、主治医や医療的ケア児支援センター
と、分けて相談すると話が進みやすくなります。
さいごに
障害のあるお子様を育てながら働くことは、かんたんなことではありません。それでも、保育園、会社の制度、放課後等デイサービスや日中一時支援などを組み合わせることで、働き続ける道が見つかることもあります。
あずけさき手帖では、お住まいの地域の放課後等デイサービスや日中一時支援などの施設をさがすことができます。
※制度の内容は、年度や市区町村、会社の規則によって変わります。くわしくはお住まいの窓口や勤務先でご確認ください。
出典:
- 京都労働局「育児・介護休業法 令和6年改正内容の解説」 https://jsite.mhlw.go.jp/kyoto-roudoukyoku/content/contents/002219265.pdf
- 厚生労働省「介護休業制度等における『常時介護を必要とする状態に関する判断基準』の見直しに関する研究会報告書」 https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001383116.pdf
- 厚生労働省「医療的ケア児保育支援事業」 https://www.mhlw.go.jp/content/12204500/000836263.pdf
- 福島県「育児・介護休業法の改正について」 https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/32011c/kaiseiikujikaigo.html