障害児の習い事の探し方
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はじめに
「きょうだいは習い事に行っているのに、この子にはできることがない」「楽しめることを、何か見つけてあげたい」。そんなふうに思うお父様・お母様は少なくありません。
重い障害のあるお子様でも、水の中で体がふわっと軽くなる感覚や、音楽に合わせて体をゆらす時間を、楽しめることがあります。この記事では、習い事と療育のちがい、教室のさがし方、体験の申しこみ方、送り迎えについてまとめました。
習い事と療育のちがい
まず、習い事と療育はどうちがうのでしょうか。
| 療育(児童発達支援・放課後等デイサービスなど) | 習い事 | |
|---|---|---|
| 目的 | 発達をささえる、生活の力をつける | 楽しむ、好きなことを広げる |
| 使うもの | 受給者証(福祉サービス) | ふつうの申しこみ |
| 費用 | 原則1割、ご家庭ごとに月の上限あり | 教室が決めた月謝(全額) |
療育の中にも、プールや音楽、運動を取り入れているところがあります。「療育として通うか」「習い事として通うか」で、費用や手続きが変わることを知っておくと、選びやすくなります。受給者証についてくわしくは「受給者証とは?障害児の取り方と流れをやさしく解説」、費用のしくみは「短期入所の費用はいくら?障害児の利用料のしくみ」をごらんください。
どちらがよい、ということではありません。お子様の体調や、ご家族の時間やお金に合わせて、組み合わせて考えてみてください。
スイミング・音楽・体操、それぞれのポイント
スイミング(水泳)は、水の力で体がささえられるので、ふだん動かしにくい手足を動かしやすくなることがあります。いっぽうで、体温の変化やてんかんの発作、医療的ケアがある場合は、気をつけることが多くなります。始める前に、かならず主治医に相談してください。
音楽は、楽器を鳴らす、歌を聞く、リズムに合わせて体をゆらすなど、体を大きく動かさなくても楽しめるのが良いところです。個人レッスンで、お子様のペースに合わせてくれる先生もいます。
体操は、マットやボールなどを使って、体を動かす楽しさを感じられます。少人数のクラスや、障害のあるお子様向けのクラスを開いているところもあります。
どの習い事でも、「上手にできるか」より、「お子様が楽しそうか」を大切にしてみてください。
教室のさがし方
障害のあるお子様が通える教室は、ふつうの習い事のように広告で見つかるとは限りません。次のようなところに聞いてみると、情報が集まりやすくなります。
- 障害者スポーツセンター:都道府県や大きな市が持っている、障害のある方のためのスポーツ施設です。プールや体育館があり、教室を開いているところもあります。全国にあるわけではないので、お住まいの地域にあるか調べてみてください。
- 都道府県・指定都市のパラスポーツ(障がい者スポーツ)協会:全国の都道府県や大きな市にあり、スポーツ教室やイベントの情報をのせています。全国をまとめているのは「日本パラスポーツ協会」(以前の名前は日本障がい者スポーツ協会)です。
- 市区町村の障害福祉の窓口や、スポーツ担当の窓口
- 相談支援専門員、特別支援学校の先生、療育の先生
- 同じような障害のあるお子様を育てるご家族
とくに、ほかのご家族からの口コミは、「車いすで入れるか」「先生が慣れているか」など、ホームページにはのっていない情報が聞けることがあります。
体験の申しこみ方
気になる教室が見つかったら、いきなり入会するのではなく、まず体験や見学をお願いしてみましょう。申しこむときは、次のことを先に伝えておくと、教室も準備がしやすくなります。
- お子様の障害や病気のこと
- 医療的ケアがあるか(吸引、経管栄養など)
- 発作があるか、あるときの対応
- 移動の方法(車いす、だっこなど)
- 苦手なこと(大きな音、人が多い場所など)
- 着がえやトイレの手伝いが必要か
サポートブック(お子様の取扱説明書のようなもの)があれば、それを見せるとスムーズです。作り方はくわしくは「サポートブックの作り方・あずけ先に伝わる書き方」をごらんください。
体験のあとは、「お子様が楽しそうだったか」「先生が質問にていねいに答えてくれたか」「緊急のときの対応を決めているか」をふり返ってみてください。
移動支援で送り迎えはできる?
習い事の送り迎えに、ヘルパーの「移動支援」を使えるかどうかは、市区町村によってちがいます。
移動支援は、余暇活動(遊びや楽しみのための外出)にも使えることが多いサービスです。ただ、「毎週同じ場所に、1年を通して通う外出」は対象外としている市区町村もあります。習い事が「通年で長く続く外出」にあたるかどうかの考え方も、市区町村によってちがいます。
また、習い事を対象にしている市区町村でも、プールの中での介助など、使えない場面があることがあります。移動支援を使いたいときは、次のことを窓口や相談支援専門員に確かめておきましょう。
- 習い事の送り迎えに使えるか
- 教室の中での付きそいはできるか
- 1か月に何時間使えるか
移動支援そのものについては、くわしくは「移動支援は何歳から使える?障害児の条件と申しこみ方」をごらんください。
さいごに
習い事は、お子様にとって「楽しい」と思える時間を広げるきっかけになります。そして、お子様が教室にいるあいだ、お父様・お母様が少しひと息つける時間になることもあります。
まずは、地域の障害者スポーツセンターやパラスポーツ協会、相談支援専門員に「こんな教室はありますか」と聞くところから始めてみてください。
楽しみの時間とあわせて、ご家族が休める時間も大切にしてください。あずけさき手帖では、お住まいの地域の短期入所や日中一時支援などの施設をさがすことができます。
※制度や金額は、年度や市区町村によって変わります。くわしくはお住まいの窓口でご確認ください。
出典:
- 日本パラスポーツ協会「日本のパラスポーツの歴史と現状」 https://parasports.or.jp/about/images/jpsa_歴史と現状_2024_web.pdf
- 武蔵野市「移動支援 Q&A」 https://www.city.musashino.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/035/983/QAidou.pdf
- 富山市「移動支援事業」 https://www.city.toyama.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/003/551/idosien.pdf