お子様の状態別

医療的ケア児の災害・停電へのそなえ・今日からできること

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はじめに

人工呼吸器や吸引器、酸素の機械など、電気で動く医療機器を毎日使っているお子様にとって、停電は「少し不便」ではすみません。地震や台風のニュースを見るたびに、胸がざわつくお父様・お母様も多いと思います。

でも、そなえは一度にぜんぶやらなくても大丈夫です。この記事では、「電気」「登録」「避難先」「持ち出し」の4つに分けて、今日からできることをやさしくまとめました。

まずは「電気が止まったら何時間もつか」を知る

いちばん大事なのは、お子様の機械が、停電したときにどのくらい動き続けられるかを知っておくことです。

これは機械によってちがうので、主治医、訪問看護師さん、機械をかしている会社(業者さん)に聞いてみてください。「停電したら、何時間以内にどこへ動けばいいか」を、いっしょに紙に書いておくと安心です。

非常用電源(蓄電池・発電機)をそなえる

家で電気をつくったり、ためたりする道具には、主に次のようなものがあります。

道具 とくちょう 気をつけること
ポータブル蓄電池 家の中で使える。音や排気がない 使える時間は容量しだい。ふだんから充電しておく
発電機(ガソリン・カセットガス) 燃料があれば長く電気をつくれる 一酸化炭素が出るので、ぜったいに家の中で使わない
車からの給電(シガーソケット・インバーターなど) 車があれば使える 機械に合うか、事前にためしておく

医療機器につないでよいかどうかは、機械の種類によってちがいます。買う前に、主治医や業者さんに「この機械に使えますか」と確認しましょう。

発電機・蓄電池は「日常生活用具」で補助が出ることも

障害のある方のくらしに必要な道具の費用を、市区町村が助けてくれる「日常生活用具給付(きゅうふ)」というしくみがあります。

この中に、人工呼吸器を使っている方などを対象に、発電機や蓄電池を加えている市区町村があります。たとえば滋賀県大津市では、在宅で24時間人工呼吸器を使っている方を対象に、蓄電池・発電機などの購入費を助成しています。

ただし、対象になる人、もらえる金額、所得の条件、申しこみの順番(買う前に申しこむ必要がある、など)は、市区町村によってまったくちがいます。まだ対象にしていないところもあります。お住まいの障害福祉の窓口か、相談支援専門員さんに「非常用電源は日常生活用具の対象になりますか」と聞いてみてください。

電力会社(送配電会社)への登録

電力会社によっては、命にかかわる医療機器を家で使っている方の「事前登録」のしくみがあります。たとえば東京電力パワーグリッドでは、登録した方に、停電のときに電話で知らせるようにしています。小さな発電機の貸し出しをおこなう場合もありますが、数にかぎりがあります。

ここで知っておきたいのは、登録しても「優先して電気が早くもどる」という約束ではない、ということです。広い地域の停電では連絡がおくれることもあります。登録は「つながる手段のひとつ」と考え、自分の家の電源のそなえとあわせて進めましょう。

お住まいの地域の電力会社に登録のしくみがあるかは、各社のホームページか電話で確認できます。

個別避難計画と福祉避難所

市区町村は、ひとりで避難するのがむずかしい方の名簿(避難行動要支援者名簿)を作ることになっています。そして、その方ごとに「だれが、どこへ、どうやって避難をてつだうか」を書いた計画を作るよう努めることになっています。これが「個別避難計画」です(2021年の法改正で、市区町村の努力義務になりました)。

医療的ケアのあるお子様は、ふつうの避難所では電源や衛生面で過ごすのがむずかしいことがあります。そこで知っておきたいのが「福祉避難所」です。高齢の方や障害のある方など、配慮が必要な方のための避難所で、市区町村が事前に「どんな人を受け入れるか」を決めて知らせることができます。個別避難計画で決めておけば、ふつうの避難所を通らずに、福祉避難所へ直接避難できるしくみも進められています。

ただ、計画づくりの進み方は地域でかなりちがいます。「うちの子の計画は作られていますか」と、市区町村の防災や福祉の窓口、相談支援専門員さんにたずねてみてください。また、停電のときは「家にいながら電源を確保する」「入院できる病院へ移る」など、避難所以外の行き先も主治医と決めておくと安心です。

なお、医療的ケア児支援法は2026年に改正され、各地の「医療的ケア児支援センター」が、個別避難計画づくりで市区町村と協力していくことが示されています(2027年4月から施行予定)。相談先のひとつとして覚えておいてください。

持ち出しリスト

すぐに持ち出せるよう、ひとつのバッグにまとめておきましょう。

ふだん使っているものほど、いざというときに忘れがちです。季節が変わるころなど、年に数回、中身を見直す日を決めておくとよいでしょう。

さいごに

災害のそなえは、考えるだけで気が重くなるものです。でも、「機械が何時間もつかを聞く」「電力会社に電話してみる」など、ひとつずつで大丈夫です。地域の人やサービスとつながっておくことも、大きなそなえになります。

あずけさき手帖では、お住まいの地域の短期入所や医療的ケアに対応した施設をさがせます。ふだんからつながれる場所を見つけておきましょう。

※制度や助成の内容は、年度や市区町村、電力会社によって変わります。くわしくはお住まいの窓口や各社にご確認ください。

出典:

お住まいの地域のあずけ先をさがす →都道府県や、お子様に必要なケアからさがせます