障害児の歯医者・受診のコツ
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はじめに
「歯医者さんのいすに すわってくれない」「待合室で待てなくて、まわりの目がつらい」。障害のあるお子様の受診に、なやんでいるお父様・お母様は少なくありません。
むし歯や体調のチェックは、ことばで「いたい」と伝えにくいお子様ほど大切です。この記事では、歯医者や病院にかかるときに使える場所やしくみ、受診をすこしラクにする工夫をまとめました。
障害のある人のための歯医者「障害者歯科」があります
ふつうの歯医者さんで治療がむずかしいときは、「障害者歯科」という考え方があります。障害のある方の歯の治療や予防に、なれている歯科のことです。
多くの地域で、都道府県や市、歯科医師会(地域の歯医者さんの集まり)が、障害のある方のための歯科のしくみを用意しています。たとえば、つぎのようなものです。
- 「口腔保健センター」「障害者歯科センター」などの名前の、障害のある方のための歯科
- 歯科医師会が名前を出している「障害のある方を受け入れる協力歯科医院」
- 大学病院や大きな病院の歯科(むずかしい治療が必要なとき)
地域の歯医者さんで対応しにくいときは、センターや大きな病院につないでもらえる、というしくみをとっているところもあります。名前やしくみは地域によってちがうので、お住まいの都道府県や市のホームページで「障害者歯科」とさがすか、市区町村の障害福祉の窓口、相談支援専門員(サービスの計画を立てる人)にたずねてみてください。
受け入れのようすは、医院によってさまざまです。電話で「どんな障害のある子なら見てもらえるか」を、先に聞いておくと安心です。
むし歯の治療と「全身麻酔」のこと
治療中にどうしても体が動いてしまうお子様や、むし歯がたくさんあるお子様では、全身麻酔(ねむっているあいだに治療する方法)で治療をすることがあります。障害のある方のための歯科のなかには、病院と協力して全身麻酔での治療をしているところもあります。
ただ、全身麻酔が合うかどうかは、お子様の体の状態や、むし歯の数などで変わります。こわがりすぎず、でも自分たちだけで決めず、歯科の先生と主治医によく相談してください。
いちばんの近道は、むし歯をつくらないことです。痛くない「定期健診」と「歯のおそうじ」から通いはじめると、お子様も場所や人になれやすくなります。
待つのがむずかしいときの工夫
病院の待ち時間は、お子様にとって大きな負担になることがあります。つぎのような工夫を試してみてください。
- 予約のときに「待つのがむずかしい」と伝え、すいている時間や、その日いちばんの時間を聞いてみる
- 順番が来たら電話やメッセージでよんでもらえるか聞き、車や外で待つ
- お気に入りのおもちゃ、タブレット、おやつ(食べてよいか確認して)を持っていく
- 「何をするか」を写真や絵カードで先に見せておく
- 歯医者さんなら、はじめは「いすにすわるだけ」「お口を見せるだけ」の練習の日にしてもらう
お子様の苦手なこと、落ちつく方法、伝え方などは、紙1枚にまとめて受付でわたすと、スタッフさんも動きやすくなります。サポートブック(お子様の取りあつかい説明書のようなもの)をそのまま使うのもおすすめです。くわしくは「サポートブックの作り方・あずけ先に伝わる書き方」をごらんください。
付きそいがたいへんなときに使えるしくみ
きょうだいがいる、お父様・お母様だけでは移動がむずかしい、というときは、ヘルパーの力を借りられることがあります。
- 通院等介助:ホームヘルプ(居宅介護)のひとつで、家から病院への行き帰りなどを手伝ってもらうサービスです。障害のあるお子様も、障害の重さなどの条件にあてはまれば使えます。
- 移動支援:外出の付きそいのサービスです。市区町村が決まりをつくるので、通院に使えるかどうか、何歳から使えるかは、市区町村ごとにちがいます。くわしくは「移動支援は何歳から使える?障害児の条件と申しこみ方」をごらんください。
- 行動援護:強度行動障害などがあるお子様の外出を、なれたヘルパーが手伝うサービスです。
病院の中での付きそいは、原則として病院のスタッフの役目とされています。ヘルパーが病院の中まで付きそえるかどうかは、お子様の状態や市区町村の判断で変わります。使いたいときは、相談支援専門員か市区町村の窓口に「受診のときに付きそいがほしい」と伝えてみてください。ヘルパーがなかなか見つからないときは、「障害児のヘルパーが見つからないときにできる7つのこと」もあわせてどうぞ。
さいごに
受診は、お子様にもご家族にも、エネルギーがいるできごとです。「うまくいかなかった日」があっても、だいじょうぶです。少しずつ、なれる場所と人をふやしていきましょう。
あずけさき手帖では、お住まいの地域の施設や事業所をさがせます。受診の日にきょうだいをあずける先さがしにも、ぜひ使ってください。
※制度やサービスの内容は、年度や市区町村によって変わります。くわしくはお住まいの窓口でご確認ください。
出典:
- 東京都保健医療局「障害者歯科医療」 https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/iryo/iryo_hoken/shikahoken/shougaishashika/index.html
- 千葉県「障害児(者)歯科医療について」 https://www.pref.chiba.lg.jp/kenzu/kuchi/syougaisikairyou.html
- 静岡市「障害者歯科保健センターについて」 https://www.city.shizuoka.lg.jp/s7463/s003324.html
- 横浜市「心身障害児・者歯科診療」 https://www.city.yokohama.lg.jp/kenko-iryo-fukushi/fukushi-kaigo/fukushi/annai/seido/iryo-kikan/sinsin.html
- 厚生労働省「障害福祉サービスの内容」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/naiyou.html
- 川崎市「移動支援のあらまし」 https://www.city.kawasaki.jp/350/cmsfiles/contents/0000100/100551/250708idoushiennoaramashi.pdf